パワーコードという技術

2ちゃんねるのまとめサイトを閲覧することこそ時間と人生の浪費だと思うのだが、メタルとバイク関連のだけはつい観てしまう。


先日ロック系のまとめのところに




昔組んでたバンドにギターで応募してきた奴が、「パワーコードしかできません」とか
言いやがったwww
即効で追い出してやったよwwwww





みたいな書き込みがあった。

はっきり言おう、










まったくもって愚かである。
もしかするとそのギタリストはslipknotのミック・トムソンぐらい弾ける男だったかもしれないのに。
加入するバンドにパワーコードしかできませんと言うぐらいだから本当にスゴイ可能性もある。
そしてなんと謙虚なことか!
確実にバンドの核になったことだろう。


パワーコードで検索すると、まあネガティヴな書き込みが多い。

パワーコードの練習はバントの練習みたいなもんと書いている輩もいた。
トニー・アイオミに勝ってから言え。




パワーコードを押さえること自体は簡単である。
できる人に教えてもらえれば1日でできるだろう。


しかし!パワーコードを弾くことはとてつもなく難しい。
力強く、そして破壊的に弾き切ることは一長一短でできることではない!



パワーコードとはその名の通り、力の和音である。
力なくしてできないのである。


ギターを演奏することを「ギターを弾く(ひく)」と読むが、読み方によっては弾く(はじく)とも読める。

つまり弦をバッキーン!とはじくのである。
ヌルヌルと撫でるのではない。

かつてパワーコードなんてカンタンカンタンと言っていた人たちを数多く見てきた。
誰一人としてパワーを感じさせる人がいなかった。
弦を撫でているだけだった。

本当にパワーコードでカッコよく弾ける人は、簡単なんて言葉は絶対に口にしない。


力なんて必要ねーよ。
だってギタリストって細い奴多いじゃん?
という人もいるだろう。

よく見てほしい。
本当にギターの巧い人の腕ってのは細くてもしなやかで強靭な二の腕をしてるよ。
(地獄のメカニカルフレーズでおなじみの小林信一氏曰く、メタル筋が発達しているらしい




パワーコードは2本の弦を弾く。
たった2本ですさまじくヘヴィに力強く音を出せる技術なのだ。

2本の弦を力強く弾けない輩に6本の弦をまとめて弾くコードやカッティングができるわけがない。



リードギタリストになることをあきらめてからずっとパワーコードと付き合っているが、未だにトニー・アイオミのような絶望感は出ない。ジェイムズ・ヘッドフィールドのようには弾けない。



死ぬまでやるが、死ぬまでに果たして極められるだろうか?
真剣にそう思えるもの、それがパワーコードなのだ!!

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